【書評】人工知能のための哲学塾
いつも大変お世話になっている三宅さんが、待望の人工知能についての本を出されたので、さっそく書評を書かせていただきました!
この本は、全5回にわたる「人工知能のための哲学塾」という同名の講義をもとに編集されたものです。
すべての回に参加させていただいたのですが、哲学を専攻されている方にはじまり、エンジニア、編集者、認知心理学や脳科学を研究されているメンバーが一同に会してのディスカッションは、とても刺激的でした。人工知能は多くの分野をカバーするものですが、このように横断的に捉えられる機会はまだ少なく、またこれから考えるべきことが山積みされている、ということをまず体感できたのが良かったです。
こうして本となり振り返ると、聞き逃したところや、また新たな気づきがありとても面白いです。(以下、話がむずかしくなるので漫画で表現)
人工知能を探求するということは、「知能とは何か?」という命題を追うこと。それはとても哲学的な命題であり、個人的に興味を持つ大きなきっかけとなっていました。
フッサール、ユクスキュル、デカルト、デリダ、メルロ=ポンティ…。それ以外にも様々な哲学者が人工知能を考える際のヒントとして、分かりやすい解説と共に多く登場します。またこの本におけるアプローチを参考に、「人工知能のヒントになることはないか?」と考えながら哲学の本を読むのもなかなか面白いです。
これからの未来、もしかしたら大学の哲学科で人工知能を研究することが当たり前になるかもしれない、と思ったりしています(もう行なっている??)。もしあるなら、とても行ってみたいです。
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人工知能のトピックとして、ディープラーニングやシンギュラリティに関連するニュースが増えてきましたが、この本を読むことで「知能とはなにか?」ということに正面から考えていくことの面白さを体験できるかと思います。
また「サブサンプションアーキテクチャ」や、「デリダの差延」といった難しい用語も丁寧な説明があるので、人工知能、哲学ともに初心者の方も読みやすいかと思います(自分も初心者です)。興味を持った人は、ぜひ手に取ってみることをおすすめします。
<おまけ>
それぞれの回でグループディスカッションの発表も担当させていただきました。その時の発表資料をこちらにまとめてみました。
第1回 : ライトニングトーク
第2回 : グループディスカッション
第3回 : グループディスカッション
第4回 : グループディスカッション
第5回 : グループディスカッション「遠心性コピーと運動感覚 チーム」
こちらの内容は、本のP304にも取り上げられています。
<おまけ その2>
人工知能の現在、そして概観について幅広く三宅さんに話しを聞かせていただいたPodcastです。本を読む際の前提知識としても参考になる内容が盛りだくさんです。
セオ商事の「es/FM - SF なトーク番組 : エスノエフエム」を iTunes で
<おまけ その3>
最近読んだ本で脳科学から「知能(意識)とは?」ということにアプローチしたこちらの本もとても面白かったです。
<おまけ その4>
謝辞に名前を載せていただきました。ありがとうございます!